ヨハネス フェルメール

 

1632/10/31〜1675/12/15

ネーデルラント連邦共和国(オランダ🇳🇱)の画家でバロック期を代表する。

映像のような写実的な手法と綿密な空間構成そして光による巧みな質感表現を特徴とする。

 

父親の死後、1655年に実家の家業を継いで、パブ兼宿屋でもあったメーヘレンの経営に乗り出している。こういった収入やパトロン、大変裕福だった義母などのおかげで、当時純金と同じほど高価だったラピスラズリを原料とするウルトラマリンを惜しげもなく絵に使用できた。

 

 

1650年代の作品

 

f:id:mayuppy1123:20190524193113j:image

聖プラクセディス 国立西洋美術館

2世紀頃の人物で処刑されたキリスト教信者の遺体を清めることに努めたという。彼女は殉教者(絵の背景に見える)の血を含ませたスポンジを絞っている

 

f:id:mayuppy1123:20190524193355j:image

マリアとマルタの家のキリスト スコットランド国立美術館🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿

現存するフェルメール作品のうちサイズは最大のもの。キリストはマルタとマリアという姉妹の家に招待された。マルタはキリストをもてなすため忙しく働いている。マリアは座り込んだままキリストの言葉に耳を傾け、働こうとしない。マリアをなじるマルタに対してキリストはこう言った「マルタ、マルタ。あなたは多くのことに心を配り、思いわずらっている。しかし、大切なことは1つしかない。そしてマリアは良い方の選択をしたのだ」。マリアの頬に手を当てるポーズは図像学的にはメランコリーを意味し、マリアが裸足であるのはキリストへの謙譲を意味する。

 

f:id:mayuppy1123:20190524193740j:image

ディアナとニンフたち マウリッツハウス美術館

一番手前の人物がディアナ。ニンフの一人がディアナの足を洗っているのは、キリストが弟子の足を洗ったエピソードを思わせる。他にも前景の水盤(純潔の象徴)、アザミ(受難の象徴)などのキリスト教的シンボルが目につく。ディアナの隣のニンフが自分の足をつかんでいるのも、十字架に足を釘付けされたキリストの受難を暗示する

 

f:id:mayuppy1123:20190524194150j:image

取り持ち女  アルテマイスター絵画館

売春婦と客との仲立ちをする女性のこと。この作品では左から2番目の人物がこれに当たる。その右にはワイングラスを手にした売春婦と金貨を手にした客がいる。画面左端にいるもう一人の人物をフェルメールの自画像とする説がある

 

f:id:mayuppy1123:20190524194429j:image

眠る女  メトロポリタン美術館

テーブルの上の2つのワイングラス(1つは倒れている)は、女が酒に酔って眠り、家庭の主婦としての勤めをおろそかにしていることを暗示している。テーブルの上の果物の鉢も性的な堕落を示唆するものである。女の背後の壁に掛けられた絵は、暗くてよく見えないが、キューピッドが仮面(虚偽の愛)を踏み付けている様子がわずかに見える。女の背後の開けっぱなしのドアの向こうには隣の部屋が見える。X線写真によると、絵のこの部分には犬(やはり性的なものを示唆する)と、一人の男が描かれていたが、後に画家によって塗りつぶされたことが明らかになっている